小松菜は蒔き時が長く、成長が早く、そして調理の幅が広いと、万能な野菜です。しかし今まで使っていた栽培装置では同時に6株しか育てられないので、収穫量が少ないのが欠点でした。しかしこの度、多収が期待できる「トレイ栽培装置」導入したので、こちらで育てたいと思います。
野菜の種を蒔く最適な季節は春と秋です。暑すぎず寒すぎずの天候なので、安定した発芽になります。しかし今回の栽培ではあえて、夏の一番暑い時に種蒔きをします。もし上手く成長すれば、育てられる野菜が手薄になる季節でも収穫を見込めそうです。それでは小松菜の栽培を始めましょう。
- 小松菜の品種
- 液体肥料
- 栽培場所
- アオムシ・イモムシ対策薬
- 2020年8月14日 種蒔き
- 2020年8月17日 発芽(発芽から0日目)
- 2020年8月22日 一部が葉焼け(発芽から5日目)
- 2020年8月29日 順調な成長(発芽から12日目)
- 2020年9月6日 小松菜らしくなる(発芽から20日目)
- 2020年9月6日 ハダニの襲来(発芽から21日目)
- 2020年9月12日 イモムシの襲来(発芽から26日目)
- 2020年9月19日 かき取り収穫(発芽から33日目)
- 2020年10月11日 元の水準に戻る(発芽から55日目)
- まとめ
小松菜の品種
今回は「はやどり小松菜(品種:早緑)」を育てます。種袋によると、生育早く、やわからで風味満点、新鮮な味覚が楽しめる…とのことです。
液体肥料
液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。
栽培場所
夏は日光が強すぎて、葉が縮れたり枯れたりする葉焼けが起きる可能性があります。そこで遮光率22%の寒冷紗を設置し、その内側で栽培します。
アオムシ・イモムシ対策薬
葉物野菜の天敵は葉を食害するアオムシ・イモムシです。そのためこれらの退治薬である「STゼンターリ顆粒水和剤」を定期的に散布していきます。希釈倍率は1000倍とし、葉に定着しやすいように展着剤(商品名:ダイン)を加えます。
2020年8月14日 種蒔き
栽培装置はこの記事 《カブのトレイ栽培に挑戦中。水耕栽培を応用して土の代わりにバーミキュライトを使ってみます》を参考にして組み立てます。プラグトレイは1シートあたり72セルのものを使用し、6×4となるように切り取りました。ちなみに、右奥の空セルは液肥の水位確認用として使います。
液肥で湿潤させた培地に深さ0.5cmの穴を空けます。ここに種を3〜4個ずつ蒔き、覆土をしました。水切りトレイに液肥はまだ入れずに、屋外に置いて芽が出るのを待ちます。
2020年8月17日 発芽(発芽から0日目)
双葉が開いたので、本日を「発芽から0日目」として記録をしていきます。35℃を超す気温の中でも徒長をしていません。非常に優秀な種です。
小松菜の成長は早いので、このタイミングで間引きを行います。1番成長しそうな1株を残して、残りを切り取っていきます。
これで作業の完了です。あとは成長を見守るだけです。
2020年8月22日 一部が葉焼け(発芽から5日目)
発芽から5日でセル一杯の大きさまで成長しました。
本葉は双葉より大きくなり、中心部からは次の本葉が見えています。
寒冷紗の内側で育てていても、数株の双葉に葉焼けのような症状が出てきています。ただ双葉はそのうちに取れるので、影響は少なさそうです。
2020年8月29日 順調な成長(発芽から12日目)
葉焼けした双葉の数は多くなりましたが、本葉には今のところダメージはありません。
暑さで茎が間延びする野菜が多い中、小松菜はしっかりと詰まっています。これは収穫に期待できそうです。
2020年9月6日 小松菜らしくなる(発芽から20日目)
葉が大きくなり、小松菜っぽい姿となってきました。
葉はきれいな深緑色で、美味しそうです。このペースで育てば、30日目くらいには収穫ができそうです。
2020年9月6日 ハダニの襲来(発芽から21日目)
葉の色が薄くなっている部分を発見しました。もしやと思い裏返すと、やはりハダニが増えていました。幸いなことにまだ発生初期なので退治できそうです。
使う薬はヤシ油から作られた「アーリーセーフ」です。これを500倍に希釈して散布します。
ハダニは葉の裏にいるので、手で葉を裏返しながら滴るほどをスプレーしました。1回だけでは効果が見られないと思うので、今日から3日ごとに散布して、ハダニの量を減らしていきます。
2020年9月12日 イモムシの襲来(発芽から26日目)
先週の写真と比べると、丈は伸びておらず、葉のサイズが大きくなっただけようです。アーリーセーフを散布していますが、ハダニは徐々に増えてきています。正直、勝てそうにないです…
ハダニだけではなく、新しい害虫も現れました。新芽をかじっている何者かがいるようです。
根本を露出させると、体調3mmほどの頭?が黒いイモムシがいました。彼が犯人でしょう。
そこでイモムシの退治薬である「STゼンターリ顆粒水和剤」をたっぷりと撒きました。小松菜の栽培は虫との戦いになりそうです。
2020年9月19日 かき取り収穫(発芽から33日目)
先週の写真と比べると、あまり成長していないように感じます。今の丈は約15cmです。種袋の説明では20~25cmになるとのことでしたが、ここで伸び止まってしまいました。
ハダニの被害で枯れたり、色が変わってしまった葉を取り除きました。ハダニが汁を吸うと葉の色が緑→黄緑→黄となり、最終的に枯れます。
ハダニ退治薬であるアーリーセーフを3日ごとに使っても、ハダニの増殖を抑えられませんでした。そこで毎日散布に変えてみたところ、4日目でハダニはほぼいなくなりました。頻度が重要なようですね。
反対に、イモムシ退治薬は1回の散布で全滅させました。食べられてしまった葉は元には戻らず、かじられた形のまま大きくなっています。
成長も遅くなっているので、本日収穫をしましょう。本当は株ごと採る予定でしたが、収穫量が少ないことを考えてかき取り収穫に変更します。ハサミで枝の付け根を切っていきます。
これで収穫の完了です。23株から78gが採れました。目標の収穫量は200gだったので1/3しかないです。
大きくならなかったのは日当たりの問題でしょうか?平置きと比べて、棚で育てるとどうしても光が弱くなります。成長に関して今後の検討課題とします。
今はハダニがいませんが、葉の裏面には吸った後が残っています。この程度ならば食べるには問題ないでしょう。
こちらが収穫後の株です。中心部の葉は残してあります。順調に成長すれば、次の収穫は2~3週間後になりそうです。
2020年10月11日 元の水準に戻る(発芽から55日目)
1回目の収穫から3週間…ようやく元のレベルまで回復しました。今回は例のイモムシの発生はなく、非常にきれいな葉となっています。
この小松菜は発芽から55日が経過しています。さぞかし根がたくさん出ているかと思いきや、トレイを持ち上げるとあまり伸びていなかったです。大半の根はプラグトレイの中にあるようですね。
2回目の収穫に関してですが、1回目とは異なり使う分だけをこまめに採っていきたいと思います。おひたしにするには量が少ないですが、味噌汁の具や野菜炒めの彩りとして使うには十分です。栽培記録はここで一旦終了として、また何かあったら追記していきます。
まとめ
それでは栽培のまとめになります。
- 小松菜は種蒔きから3日で発芽しました。気温が高い残暑の中でも徒長せず、収穫まで安心して育てられました。
- 栽培中期に新葉を食べる小さいイモムシが出現しました。形の良い小松菜を作るには、やはり定期的な農薬散布が必要です。
- 発芽から33日目で1回目の収穫ができました。中心部の葉を残して再び育てた結果、3週間後には元の水準まで回復しました。
小松菜の良かった点は30℃を超える気温でも全く徒長をしなかったことです。同時期に育てた水菜やわさび菜は、ことごとく茎が伸びて倒れてしまいました。夏は種蒔きできる野菜が少ないので、小松菜は貴重な戦力となりそうです。
この記事が小松菜栽培のお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。