遮光仕様の水耕栽培装置で「大葉(青じそ)」を育てます。取れすぎた分はふりかけに加工しようと思います

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 昨年使っていた水耕栽培装置には、とある欠点がありました。それは液肥槽に「藻」が生えてしまうことです。短期間の栽培ならばあまり気にならないのですが、長期間となると増えた藻が底に堆積するため、定期的に洗い流す必要が出てくるのです。この作業は意外と手間なので、藻が生えにくくなるように栽培装置を改良しました。行ったことを簡単に説明すると、液肥槽の内側を黒色ビニール袋で覆って遮光したのです。これでおそらく数ヶ月間栽培しても藻は発生しないはずです。

 今回、この改良した遮光型装置で育てるのは、大葉(青じそ)です。大葉は1回きりの収穫ではなく、何度も葉を採ることができます。それに伴い栽培期間も長くなるので、藻が生えにくい栽培装置で育てるのにはピッタリな野菜だと思います。もし食べきれないほど採れてしまったら、乾燥させてふりかけにしたいと思います。早速、栽培を始めましょう。

 

 

 

 

大葉の種

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 大葉の種は直径1mmほどの球形をしています。ちなみに「大葉」とは『青じそ』の別名となります。

 

栽培装置

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 栽培装置はこの記事《「黒色ビニール袋」を使って遮光仕様の水耕栽培装置を作製。液温上昇と藻の増殖を防ぎます 》を参考にして組み立てました。

 

液体肥料

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 液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。

 

2021年4月3日 種蒔き

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 種袋によると大葉の発芽率は60%以上と、他の野菜と比べてあまり高い数値ではありません。そのため種は少し多めの1カップあたり7個ほどを置き、厚さ2mmの覆土を行いました。種蒔きが終わった栽培装置は屋外に置いて、発芽するのを待ちます。

 

2021年4月14日 発芽(発芽から0日目)

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  種蒔きから11日で芽が出てきました。今まで育てた野菜の中でも長い部類に入ります。本日を「発芽から0日目」として記録をしていきましょう。

 

2021年4月18日 立ち枯れ&蒔き直し

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 今日、悲しいことが起きました。なんと双葉の色が緑→黒になって枯れかけていたのです…このカップだけではなく、他のカップも同様の状態です。数日前までは好調だったのに、何が起こったのしょうか?
 原因として考えられるのは低温障害です。思い起こすと、数日前に最低気温が10℃を下回る日が3日ほど続きました。もしかしたら発芽したての大葉は、この低温に耐えられずに枯れてしまったのかもしれないです。

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 中には枯れていない株もありますが、今回は全て抜いて種を蒔き直します。再び芽が出てくるのを待ちましょう。

 

2021年4月25日 発芽(発芽から0日目)

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 2回目の種蒔きは7日で発芽しました。今回は低温対策として、最低気温が10℃を下回る時間帯は部屋に取り込むこととします。

《2021年4月28日追記》
 今回も前回同様に、立ち枯れの症状が出たので撤収しました。

 

2021年5月9日 再々度の種蒔き

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 2回の栽培失敗により、原因が何となく分かりました。それは「多湿」です。培地への水分供給はイラストの様に、プラカップの底に液肥の液面を付けて行っていました。しかしこの方法では大葉の種にとって水分が多すぎて、生育不良になったことが考えられます。

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 そこで3回目の種蒔きをする前に、栽培装置を改良します。お茶パックの底に小さな切れ込みを入れて、化学繊維でできた布を通しました。液肥はこの布を通して培地に供給されます。

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 イラストにすると上記の様になります。この方法ならば液肥に浸っていないので、多湿にはなりにくいはずです。

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 あとはプラカップに培地を入れて、種を蒔きます。液肥は給水布の半分が浸る程度を入れました。この栽培装置を屋外に出して、発芽するのを待ちます。

 

2021年5月16日 発芽(発芽から0日目)

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 発芽しました。今回は大丈夫でしょうか?

 

2021年5月22日 1回目の間引き(発芽から6日目)

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 無事に6日間が経過しました。どの株も葉が黒く変色することなく大きくなっています。多湿防止策が功を奏したようです。
 脱落する種があると考えて多めに蒔いたのですが、意外にも発芽率が良くてカップ内が窮屈になっています。それでは1回目の間引きを行いましょう。

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 小さなハサミで成長の遅い株などを切っていきます。

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 これで間引きの完了です。かなりスッキリした見た目となりました。

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 プラカップの底を見ると、根がお茶パックを貫通しています。そこで液肥を追加して、この根が触れる程度まで液面を上げておきました。

 

2021年5月29日 2回目の間引き(発芽から13日目)

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 あの失敗は何だったのか?と思うくらいに、順調に成長をしています。本葉が大きくなって株が同士が触れ合っていますので、2回目の間引きを行います。

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 切り取った株の切り口は、まさしく「大葉」の香りでした。

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 これで間引きは終わりです。あとは成長を見守るだけです。

 

2021年6月5日 脇芽が出てくる(発芽から19日目)

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 現在の大葉は5,6枚目の本葉が出てきています。

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 新しい成長部位として、双葉の付け根から脇芽が伸びてきました。次回の報告時には、もっさりと葉が茂っていそうですね。

 

2021年6月12日 初収穫(発芽から26日目)

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 小さいながらも立派な大葉の姿になっています。

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 葉には若干の虫のかじられ跡がありますが、概ねきれいな状態です。本日、大葉を使いたい料理があるので、それぞれの株から1枚ずつ葉を収穫したいと思います。

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 ハサミを使って、葉の付け根を切っていきます。

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 これが初収穫の6枚です。しなやかで柔らかそうな葉です。

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 採った葉は手作りシュウマイの餡と皮の間に挟んでみました。しかし残念なことに、大葉の香りは肉の味に負けてしまって全くしませんでした…次はもっとシンプルに、素麺などの薬味として使いましょう。

 

2021年6月20日 摘心(発芽から34日目)

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 大葉の成長速度は早く、斜め上からでは栽培装置が見えにくくなってきました。

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 葉は巨大化し、手のひらほどのサイズとなっています。

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 あまり背丈を高くすると株が倒れる可能性があるので、支柱を超えたこのタイミングで摘心することにしました。先端部をハサミで切り取ってしまいます。

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 成長点がなくなった大葉は、次はこの脇芽を伸ばしてくるはずです。

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 ちなみに、摘心だけでもこの量が収穫できました。新葉なので柔らかそうです。

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 摘心後の姿がこちらです。大きくなっている葉は早めに採って、新しく出てくる葉に光が当たるようにしたいと思います。
 

2021年6月26日 伸びる脇芽(発芽から40日目)

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 大きな葉を収穫したので、かなりスッキリした見た目となりました。

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 脇芽は順調に大きくなっており、脇芽の脇芽も出てきています。

 

2021年7月3日 脇芽の収穫&乾燥(発芽から47日目)

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 摘心をしてから2週間が経過しました。順調に脇芽は成長し、十分な量の葉が出てきています。葉が大きくなってしまうと固くなるので、今くらいのサイズがちょうど良いです。それでは脇芽の収穫をしましょう。

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 今回はタッパー1個分、合計23枚の葉が採れました。さすがにこの量は使い切れないので、乾燥させて保存しようと思います。

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 まずは葉を水洗いし、水気を拭き取ります。そして平たい皿などにキッチンペーパーを敷き、その上に大葉を乗せます。

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 自然乾燥でも良いですが、今回は時間短縮のために電子レンジを使います。600Wで2分くらい加熱します。

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 加熱後は大きさが半分以下になりました。

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 水分は完全になくなっており、パリパリの状態です。この調子で他の葉も乾燥をさせます。

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 収穫した葉23枚の乾燥が完了しました。しかし困ったことに、1枚を試食すると、大葉特有の風味がほぼと言っていいほどなくなっていました…個人的にはやはり生で使う方が美味しいです。この乾燥大葉は粗く砕いて、ご飯や冷奴にふりかけて食べようと思います。

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 収穫後の大葉はこのようになっています。今後は摘心と収穫を繰り返すだけになるので、栽培記録は一旦本日で終わりにしようと思います。

 

まとめ

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 今回は大葉の水耕栽培を行いました。発芽にかなり手間取ってしまいましたが、育てている間は特に病気や害虫の被害はありませんでした。初収穫後は摘心をすると脇芽が伸びるので、これを収穫していけば1家族が使う量は簡単に採れます。育てた感想としては、薬味として使うならば6株は多かったです。3株くらいでも十分な量が採れるので、家族構成で株数を調整しましょう。

 最後になりますが、この記事が大葉の水耕栽培のお役にたてれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 

【追記】2021年7月10日 根の色&調理(発芽から54日目)

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 前回の収穫から1週間しかたっていませんが、もう収穫ができそうなくらいに成長しています。

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 久しぶりに液肥槽の根を見ると、白色ではなくて若干黒ずんでいました。根腐れしている様子はないので、色が付いているのは大葉の性質なのかもしれないです。

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 それでは再び葉を採ります。ツヤのある若い葉を中心に選びました。全部で20~30枚です。

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 電子レンジでの乾燥大葉は、あまり美味しくなかったです。そこで今回は「醤油漬け」にして食べます。作り方は簡単で、醤油 大さじ1・みりん 大さじ1・粒ゴマ 小さじ1・ごま油 小さじ1/2・一味 少々 を混ぜた液に、大葉の葉を10枚ほど漬けるだけです。
 ご飯と一緒に食べると、大葉と醤油の香りが絶妙にマッチして美味しいです。夏にぴったりの爽やか料理です。個人的には長時間漬けていると大葉の香りが薄くなるので、15分くらいで食べてしまうのが良いと思いました。

 

【追記】2021年8月29日 再生する大葉(発芽から104日目)

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 大葉の成長が止まりません。余りにも大きくなってしまうため、2週間前に枝の数と丈を半分にしました。そして現在、元の姿に戻りました。恐るべき再生力です。

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 このように太い枝を切っても、すぐに脇芽が出てきます。多すぎる葉をどのようにして使うのか、頭を悩ませています…