わさび菜をかき取り収穫しながら水耕栽培します。最終的に何gが採れたか集計しましょう

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 わさび菜の水耕栽培はこれまでに何度も行ってきました。発芽から30〜40日が経過すると程良い大きさなるので、株を引き抜いて収穫し栽培を終えます。最近ふと思ったのが、わさび菜の「かき取り収穫」はしたことがないな…ということです。

 かき取り収穫とは大きくなった葉から順々に採っていく方法です。1回に採れる量は少ないですが、長い間収穫できるのがメリットです。そこで今回の栽培では、わさび菜をかき取り収穫しながら育てることにしました。

 わさび菜の種を今蒔けば、最初の収穫は9月中旬にできるでしょう。それから何日間収穫が続き、そして何gの量が採れたのかを後学のために記録していきたいと思います。それでは栽培を始めましょう。

 

 

 

 

栽培装置

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 栽培装置はこの記事《「黒色ビニール袋」を使って遮光仕様の水耕栽培装置を作製。液温上昇と藻の増殖を防ぎます 》を参考にして組み立てました。

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 追加した機能としては、お茶パックの底に穴を開けて化学繊維でできた布を通したことです。この布を通してカップ内の培地に液肥を供給します。

 

液体肥料

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 液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。栽培期間中は1週間に1度、液肥槽に入っている液体肥料の全交換を行います。

 

2021年8月15日 種蒔き

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 種は1カップあたり5個くらいを蒔き、厚さ5mmとなるように覆土を行いました。液肥は給水布が触れる程度を入れます。この栽培装置を南向きのベランダに出して、発芽するのを待ちます。

 

2021年8月18日 発芽(発芽から0日目)

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 双葉が開きましたので、本日を「発芽から0日目」として記録をしていきます。おそらく蒔いた種のほぼ全てが発芽しました。わさび菜の発芽率はいつも良いですね。

 

2021年8月21日 1回目の間引き(発芽から3日目)

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 双葉が大きくなってきました。どうやら種を蒔いた時に転がってしまったらしく、カップの端の方で発芽してしまった株がいくつかあります。
 それでは株同士が触れ合っていますので、1回目の間引きを行いましょう。

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 位置の悪い株や成長の良くない株をハサミで切り取っていきます。

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 これで間引きの終了です。1カップにつき3株としました。次の間引きは、本葉が大きくなってきた頃に行う予定です。

 

2021年8月28日 2回目の間引き(発芽から10日目)

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 わさび菜特有のギザギザした本葉が大きくなってきました。このままですとカップの中が狭いので、2回目の間引きをします。

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 最も成長の良い株を残しました。あとは成長を待つだけです。

 

2021年9月5日 ハダニが少量発生(発芽から18日目)

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 1週間が経過すると、見違えるような大きさとなりました。本葉の数は5~6枚となっています。

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 被害は多くないですが、一部の葉でハダニが発生しています。様子を見て、もしこれ以上増えるようならば薬を散布しようと思います。

 

2021年9月19日 1回目の収穫(発芽から32日目)

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 前回から2週間が経過しました。もう立派なわさび菜ですね。

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 茎は細すぎず太すぎす、収穫するには良い頃合いです。

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 今困っているのは、ハモグリバエの被害が出ていることです。大々的ではないのですが、あちらこちらに幼虫が食い進んだ跡があります。

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 それでは当初の予定通り、かきとり収穫をしていきます。外側の大きな葉を採っていきましょう。

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 初収穫はこの量です。葉の数は7枚で、ハモグリバエに食べられた部位を取り除いた重さは57gでした。

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 そして今の株の状態が上の写真です。広がっていた葉がなくなったので、起立をしている様に見えます。葉が大きくなったら再び収穫をしていきます。

 

2021年9月26日 2回目の収穫(発芽から39日目)

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 1回目の収穫から7日間で写真のように回復しました。中心部から新しい葉が出てきて、それに伴い外葉が横に広がってきています。

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 アオムシやハモグリバエの被害はありますが、今の時点ならば食べるには問題ないです。それでは2回目の収穫を行いましょう。

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 今回も茎がしっかりと太い葉を採ります。収穫量は6枚で95gでした。以降は成長と収穫を繰り返していきます。

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 これからの季節で一番気になるのはアブラムシです。小松菜などの葉が平面のものは、アブラムシがいても比較的見つけやすいでしょう。しかしわさび菜ではフリルの間に身を隠されると、気付いた時には大量発生後…となりそうです。そこで予防として、殺虫剤である「ベニカベジフルスプレー」を散布しておきます。この薬は持続性があるため、しばらくの間はアブラムシが発生することはないと思います。

 

2021年10月8日 3回目の収穫(発芽から51日目)

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 本日3回目の収穫を行い、102gが採れました。これからも大きくなった葉から順次収穫をしていきます。

 

2021年10月19日 根腐れ発生(発芽から62日目)

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 「近頃、わさび菜が成長していないな…」と感じていました。そして本日、液肥を補充しようと蓋を開けたら、液肥槽から強い腐敗臭がしたのです。この臭いは何度も嗅いでいます。どうやら根腐れが発生してしまったようです。
 根腐れが起きた野菜は水を吸う力がなくなって、徐々に葉が萎れていきます。そのため栽培を止めて撤収することが多いです。しかし今回は根腐れからの復活を試みたいと思います。
 夜だったので写真は撮っていないですが、まずカップの外に出ている腐った根を全て切り落とします。そして液肥を捨て、水道水で液肥槽や蓋を洗浄します。さらにカップの中の培地にも大量の水を通して、腐敗成分を洗い流します。とりあえずは液肥槽に液肥は入れずに、水道水を満たしておきます。この洗浄作業を毎日行って様子を伺います。

 

2021年10月23日 現状維持(発芽から66日目)

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 毎日の洗浄したのが効いたのか、見た目上は元気なわさび菜です。本日から液肥を入れての通常栽培に戻します。

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 腐っていた根は、このように綺麗サッパリなくしました。今のところ、葉が萎れたり枯れたりする症状は出ていません。カップの中にある根は腐らずに生きているのだと思います。

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 新たに行った施策としては、地上に出ている茎の部分をバーミキュライトで埋めました。上手くいけば茎から新しい根が生えてくるはずです。

 

2021年10月30日 回復中&収穫(発芽から73日目)

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 今のところ、順調に回復中です。液肥槽の臭いを嗅いでも、あの独特な腐敗臭はしなくなりました。

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 喜ばしいことに、根の再生が始まりました。先週はほとんど根が出ていませんでしたが、今では盛んに伸びてきています。これならば今後の再成長に期待ができそうです。

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 葉が密になっていたので収穫を行いました。重さは123gと、意外にもたくさんの量が採れました。

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 外葉がなくなったため、中心部の日当たりが良くなりました。また葉の数が減ったことで、株への負担も少なくなるはずです。これからの成長を見守っていきましょう。

 

2021年11月20日 根の回復(発芽から94日目)

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 気温がちょうど良いのか、わさび菜の成長が早いです。体調は完全に戻ったようですね。

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 収穫を繰り返しているので、茎の跡が株元に刻まれています。

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 肝心の根ですが、まるで根腐れがなかったかのような成長を見せています。すごい回復力です。あの時に栽培を終了しなくて良かったです。

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 葉が茂っているので収穫を行いました。今回は141gの収穫です。今のところ、合計500gが採れています。目標は1000g超えです。

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 収穫後の姿を見ても、まだまだ伸び代がありそうです。これからも成長を続けてほしいです。

 

2021年12月19日 横に広がる(発芽から123日目)

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 最近、非常に寒い日が多くなっています。最低気温は0℃近く、最高気温も10℃ほどです。この低温から体を守るためか、背丈が低く変化してきました。横から見ると、ほぼ真横に葉が伸びているのが分かります。

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 また、葉の縁のギザギザが非常に細かくなってきています。成長もかなり遅くなっているので、次の収穫はかなり先となりそうです。

 

2022年2月9日 成長停滞中(発芽から175日目)

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 寒さのせいで、わさび菜の成長が止まっています。霜よけなどもせずに、写真の状態で屋外に出しているとさすがに駄目なようです。暖かくなるのを待ちましょう。

 

2022年2月19日 再始動(発芽から185日目)

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 最近は日が落ちるのが遅くなり、冬の終わりを感じつつあります。そしてついに、わさび菜に変化が現れてきました。 

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 それは新しい葉が出てきたのです。まだ小さいですが、斜め上に向って伸びています。早く収穫をしたいですね。

 

2022年3月5日 新葉の成長(発芽から199日目)

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 新葉が成長し、徐々に昨年の秋の姿に戻りつつあります。

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 今のところは花芽が出てくる気配はないです。トウ立ちが起きる前に、あと300gを収穫したいところです。

 

2022年3月12日 根腐れ発生(発芽から206日目)

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 前回の報告時には書かなかったのですが、液肥が少し磯臭い気がしていました。念の為、液肥の臭いを毎日チェックしたところ、徐々に臭気が強くなってきました。残念なことに再び根腐れが発生したようです。

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 見た目では根腐れをしているかの判別は難しいです。しかし鼻を近づけると、はっきりとした硫黄系の腐敗臭がします。液肥の全交換は定期的に行っていたので、根腐れは起きる時には起きる現象なのかもしれないです。それでは再び、根腐れからの復活を試みましょう。

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 まずはプラカップから出ている根を全て切り落とし、カップの周りと液肥槽を水道水で洗います。

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 次に下葉を切り取っていきます。この葉は霜による痛みが大きく、また葉自体が硬そうだったので収穫はせずに廃棄します。

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 最後に新しい液肥を入れて、根が出てくるまで半日陰の場所に置きます。回復するのが先か、トウ立ちするのが先かスピード勝負です。

 

2022年3月19日 最終収穫(発芽から213日目)

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 前回、液肥槽の根を全て切りました。それにも関わらず、わさび菜には若干の成長が見られています。

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 カップの底からは新しい白い根が出てきている最中です。この感じですと、近い間に復活しそうです。

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 しかし葉を分けると、間延びしている茎を発見してしまいました。トウ立ちが始まっているようです。あと1週間もしたら背が高くなり、花芽が姿を表しているでしょう。

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 残念ですが、抽苔のため栽培はここで終わりとなります。ハサミを使って全ての葉を収穫していきます。

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 今回の収穫量は175gとなり、合計905gが採れたことになります。惜しくも1000gには届きませんでした。

 

まとめ

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 今回は秋にわさび菜の種を蒔いて育て、3株でどのくらいの収穫量となるのか確かめました。9月に初収穫ができ、翌年の3月までで合計905gを収穫しました。

 収穫回数を確認すると、

9月:2回
10月:2回
11月:2回
12月:1回
1月:1回
2月:0回
3月:1回

となりました。栽培装置は冬の間、防寒もせずに屋外に出していたため、低温のため成長が止まっていたのでしょう。やはり寒い時期でも収穫をするならば、保温のためにビニールハウスやビニールトンネルを使うのが良さそうです。この結果を参考にして、今年の冬の栽培計画を立てたいと思います。

 この記事が、わさび菜栽培のお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

収穫記録

9月19日 57g
9月26日 95g
10月8日 102g
10月31日 123g
11月6日 60g
11月20日 141g
12月19日 111g
1月8日 41g
3月19日 175g
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合計 905g