昨年、コールラビの水耕栽培に2回挑戦しました(参考記事:個性的な野菜「コールラビ」の水耕栽培に挑戦。どんな味なのかワクワクしながら育てています、水耕栽培で「コールラビ」の栽培に再挑戦。今回は藻が増えないように遮光して育てます)。双方とも途中までは上手く育ったのですが、肥大化部が直径5cmくらいになるとそれ以上大きくならなかったのです。今のところ原因は不明のため、少しずつ栽培環境を変えながら試行錯誤をするしかなさそうです。
今回の栽培で変更する点は「栽培株数」です。前回、前々回は1つの栽培装置で6株を育てました。そこで今回は密度を下げて、半分の3株で育てようと思います。日当たりも良くなりますし、葉同士が触れにくくなるのでストレスが軽減されるかもしれません。
今の季節ならばコールラビは種蒔きから2ヶ月くらいで収穫できます。はたして茎は立派に太ってくれるでしょうか?栽培のスタートです。
- 栽培装置
- 液体肥料
- 2021年5月16日 種蒔き
- 2021年5月20日 発芽(発芽から0日目)
- 2021年5月29日 間引き(発芽から9日目)
- 2021年6月5日 イモムシの発見(発芽から15日目)
- 2021年6月20日 肥大化の開始(発芽から30日目)
- 2021年6月26日 チョウがヒラヒラ(発芽から36日目)
- 2021年7月3日 直径5.5cm(発芽から43日目)
- 2021年7月10日 直径7cm(発芽から50日目)
- 2021年7月17日 収穫(発芽から57日目)
- まとめ
栽培装置
栽培装置はこの記事《「黒色ビニール袋」を使って遮光仕様の水耕栽培装置を作製。液温上昇と藻の増殖を防ぎます 》を参考にして組み立てました。
追加した機能としては、お茶パックの底に穴を開けて化学繊維でできた布を通したことです。この布を通してカップ内の培地に液肥を供給します。
液体肥料
液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。栽培期間中は1週間に1度、液肥槽に入っている液体肥料の全交換を行います。
2021年5月16日 種蒔き
種は1カップあたり3個を置き、厚さ数mmとなるように覆土を行いました。液肥はプラカップの給水布が浸る程度(約1.5L)を入れています。この栽培装置を南向きのベランダに出して発芽するのを待ちます。
2021年5月20日 発芽(発芽から0日目)
双葉が開きましたので、本日を「発芽から0日」として記録をしていきます。
2021年5月29日 間引き(発芽から9日目)
発芽してからは順調に育ち、本葉が数枚出てきました。株同士の葉が重なり合っていますので、このタイミングで間引きを行います。
本葉が大きくて茎が太いもの選び、残りはハサミで切り取ります。
これで作業の完了です。今度こそ大きいサイズのコールラビを食べたいです。50日後を楽しみにしましょう。
2021年6月5日 イモムシの発見(発芽から15日目)
何事もなく育っているように見えますが、徐々に驚異が大きくなっています。
葉を手に取ると、小さな穴が開いています。見慣れた光景なので驚きませんが、裏返すと体調5mmほどのイモムシが数匹いました。コールラビはアブラナ科の植物なので、イモムシの被害を受けやすいのです。
もちろんこのままでは良くないので、イモムシ対策薬である「STゼンターリ顆粒水和剤」を1000倍に希釈して散布しました。とりあえずは今回の食害は止まるでしょう。これからも定期的に撒いて駆除をしていきたいと思います。
2021年6月20日 肥大化の開始(発芽から30日目)
イモムシは薬で倒し、増えたアブラムシはティッシュで拭いつつ成長を見守っています。
株元の肥大化が始まりました。まずは直径5cmにできるかどうか、ここからが勝負です。
2021年6月26日 チョウがヒラヒラ(発芽から36日目)
葉がかなり大きくなってきました。栽培初期に出てきた葉が枯れつつありますので、それらは見つけ次第、取り除いておきます。
今のところは順帳に肥大化をしています。
前回の栽培では根がクリーム色でしたが、今回は白いです。1週間に1度の液肥交換が効いているのかもしれないです。
コールラビの撮影をしていたら、ひらひらとモンシロチョウが飛んできました。
そして卵を産み付けて帰っていきました…この葉には1個だけですが、多いものでは5個もある葉もあります。
この卵が全てアオムシになると、とてつもない被害となりそうです。そこで再び「STゼンターリ顆粒水和剤」を散布しました。コールラビの葉は大きくなると表面にワックス層を作るのか、スプレーをしても薬剤の乗りが良くないです。そのため今回からは展着剤(ダイン)を混ぜておきました。チョウ(アオムシ)との攻防は収穫まで続きそうです。
2021年7月3日 直径5.5cm(発芽から43日目)
現在、アオムシの被害は確認されていません。薬によって全滅したようです。
株元は急激に太くなり、直径が5.5cmとなりました。今までは液肥の全交換を1週間に1回の頻度で行っていましたが、最近は2回に増やしています。過去の栽培ではこのサイズの頃に根腐れが起きていますので、その対策としてです。もし成長が止まらなければ、記録更新です。
2021年7月10日 直径7cm(発芽から50日目)
葉がやけに成長し、かなりの面積を占有しています。最近は雨が多いため、モンシロチョウが飛んでこないのが嬉しいです。
株元は直径7cmとなりました。無事に記録更新です。種袋によると、収穫は7~10cmでできるそうです。もう採れますが、どうせですから更に大きくしましょう。
コールラビの成長点は、非常に興味深い形状をしています。中心部から小さい葉が出てきて、成長するにつれ外側へと移動していきます。見れば見るほどヘンテコな野菜です。
2021年7月17日 収穫(発芽から57日目)
葉の茂り具合は特に変化なく、先週と変わりありません。
しかし株元の肥大化はしっかりと続いています。少なくとも一回りは大きくなりました。
今までの栽培では、途中で根の状態が悪くなって強制終了となっていました。今回は毎日液肥を補給しなければならないほど水を吸っているので、根の傷みはなさそうです。
それでは予定通り収穫を行いましょう。株元の茎を切るのですが、かなり固そうだったので剪定バサミを使いました。
まずは1株目の収穫が完了です。このままでは調理する時に葉が邪魔なので、ハサミで切り落とします。
中心の葉を残して、少しお洒落っぽさを出してみました。大きくて立派なコールラビです。続いて他の2株も採っていきましょう。
同じ様に葉を処理して、3つを手に乗せてみました。ずっしりとした重さを感じます。
収穫したコールラビの重量と直径は、240g / 8.7cm、228g / 8.2cm、193g / 7.9cmとなりました。直径が8cmを超えると、見た目にもインパクトがあります。個人的にはスーパーで売っても良いくらいの出来です。
一番大きなコールラビを縦半分に切りました。心配していた割れやスは全くなく、断面はみずみずしいです。これらのコールラビは皮を厚く剥いてサラダに入れたり、味噌汁の具材として使いました。味や香りにクセがないので、とても使いやすい野菜だと思います。
まとめ
3回目の挑戦にて、立派なコールラビを収穫することができました。前回の栽培との違いは株数なので、もしかしたら5L容器では3株が適切な大きさなのかもしれません。見た目の奇抜さに反して味は特にないので、食べ方さえ分かれば色々な料理に使える野菜ですね。
この記事が水耕でのコールラビ栽培のお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。