1月からタアサイ(ターサイ)の水耕栽培をしています。ビニールハウスで育苗した後に装置へ定植する予定です

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 昨年、ベランダでベビーリーフミックスを育てた時に、タアサイ(別名:ターサイ、タァツァイ)と呼ばれる野菜が入っていました。この野菜について調べると、十分に成長した姿はチンゲン菜の葉を何枚も重ねたものであり、その独特の形にとても興味がわきました。育てようと思い収穫時のサイズを見ると、直径は20〜30cm、重さは500g以上になると書いてあります。そのため今回は8Lのバケツとザルを組み合わせた、大型の栽培装置を使って育てることにしました。

 タアサイの種蒔き時期はかなり広く、ほぼ1年中育てることができます。ただ、さすがに今の季節である真冬では発芽が難しそうなので、ビニールハウスで保温をしつつ種蒔き→育苗→定植をする作戦にします。この中で1つ気になるのはトウ立ちです。トウ立ちしてしまうと株が小さくても収穫せざるを得ません。春になり暖かくなったら、タアサイがどのような動きをするのか気になるところです。

 種袋の説明によると、タアサイは炒めものやスープにすると美味しいらしいです。もし袋のイメージ写真のように大きく育ったら、この野菜だけで冷蔵庫を占拠してしまいそうですね。それでは早速、種蒔きの準備をしましょう。

 

 

 

 

タアサイの種

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 タアサイの種は直径1.5mmほどの球形をしています。この野菜は中国の代表的な冬野菜で、寒さにとても強いのが特徴となります。

 

液体肥料

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 液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。

 

2022年1月9日 種蒔き

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 種は栽培装置に直接蒔かずに、一旦ポリポットで育苗します。まず直径9cmのポリポットにバーミキュライトを入れて、液肥で十分に湿潤させました。ここに種を6個ほど置いて、厚さ3mmとなるように覆土を行いました。このポリポットを室内の暖かい場所(気温:18℃前後)に置いて、発根するのを待ちます。

 

2022年1月11日 発根

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 覆土を軽く掘り起こすと、種から根が伸びていました。このまま順調に進めば、あと1〜2日で発芽するはずです。それではポットを屋外に出しましょう。

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 1年で最も寒い季節である今、最高気温は10℃を下回り、最低気温はマイナスとなる日が多々あります。あまりにも寒いとタアサイの成長が滞りそうなので、保温のためにビニールハウスを組み立て、昼間はこの中にポットを入れることにしました。ちなみに外気温13℃で晴れている場合、ビニールハウスの中段は30℃前後となります。

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 夜間については、育苗が終るまで毎日ポットを室内に取り込みます。その際には室内灯の影響をなくすために、適当な大きさの箱に入れて遮光をします。
 日中はビニールハウス、夜間は室内に置くことにより、真冬でも栽培適温に近付けるはずです。手間は掛かりますが、早く成長してくれるでしょうか?

 

2022年1月13日 発芽(発芽から0日目)

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 無事に双葉が開きました。本日を「発芽から0日目」として栽培記録を取っていきます。タアサイはアブラナ科ですので、水菜や小松菜と同じ葉の形をしていますね。

 

2022年1月19日 1回目の間引き(発芽から6日目)

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 発芽から1週間が経過しました。保温が効いているのか、この時期にしては成長が早い気がします。

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 双葉が大きくなり隣の株と触れ合っているので、1回目の間引きを行います。スペースが開くように茎を切っていきます。

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 1ポットにつき3株を残して作業の完了です。引き続き昼はビニールハウス、夜は室内に取り込んで成長するのを待ちます。

 

2022年1月29日 2回目の間引き(発芽から16日目)

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 現在、本葉が4枚出てきています。この成長スピードですと数日中には完全に株同士が重なるので、2回目の間引きを行います。

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 一番育ちの良いものを残しました。今後はポットの直径と同じくらいになるまで成長させ、栽培装置へと定植する予定です。

 

2022年2月11日 定植(発芽から29日目)

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 タアサイは順調に成長し、ポリポットと同じ直径(9cm)となりました。予定通り、栽培装置に定植をしたいと思います。この2株の中で、やや成長が早い気がする右側の株を使うことにします。

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 栽培装置はこの記事《「バケツ&収穫コンテナ」を使った大型野菜用の水耕栽培装置の作り方。本体と支柱を分けることで強度を確保しています》を参考にして組み立てました。

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 植え付けのために、ポリポットを外しました。思ったよりも根が少なかったです。育苗期間をあと1~2週間長くした方が良かったかもしれないです。

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 根は崩さずに、タアサイの茎がザルの中央となるように置いて、周りをバーミキュライトで埋めます。

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 最後に、液肥の蒸発防止のためのアルミ蒸着保温シートを取り付け、重石代わりのタイルを乗せれば定植の完了です。

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写真撮影:2022年2月12日
 本日から屋外で育てようと思っていましたが、運良く育苗の時に使っていたビニールハウスの中に入ることが分かりました。この栽培装置は軽くないので、上段ではなく下段に置くのが良さそうです。冬の栽培では少しでも暖かい方が有利なので、今後もビニールハウス内で育てていきます。

 

2022年2月27日 成長中(発芽から45日目)

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 前回の写真と比べると確実に育っていますね。現在の直径は15cmです。

 

2022年3月5日 直径20cm(発芽から51日目)

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 晴れている日中ならば、薄いジャケット1枚で外出できる暖かい日が続いています。それに伴ってタアサイの成長速度が上がり、直径は20cmくらいとなりました。

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 中心部からは順々に新しい葉が出てきています。栽培装置と同じサイズになったら、かき取り収穫を始めていきたいと思います。

 

2022年3月12日 かき取り収穫開始(発芽から58日目)

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 さらに直径が大きくなり、とうとう栽培装置の縁部に達しました。今のところアオムシによる被害がないので、葉は非常にきれいな状態です。それでは予定通り、かき取り収穫を始めていきます。

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 今回は外周にある葉を1周り分、ハサミで採っていきます。

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 最初の収穫が完了しました。葉は扇型をしており、緑色がとても濃いです。この葉は昼食の焼そばに入れました。クセが全くなかったので、どのような炒め物にも使えそうです。

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 収穫後のタアサイを見ると、かなり小さくなった様に感じます。これまでの成長スピードから考えると、2週間後には収穫できるサイズに戻っていそうです。

 

2022年3月19日 2回目の収穫(発芽から65日目)

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 タアサイの成長スピードが予想以上に早いです。たった1週間で、ほぼ収穫前の姿に戻りました。

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 ただ少し残念なことに、大きくなった葉を鳥に食べられてしまいました。このままだと被害が拡大するため、後に対策を行います。

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 今回も大きくなった葉を収穫しました。全部で10枚ほどが採れました。

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 収穫後は鳥対策として、不織布を掛けておきます。他の葉物野菜と違って高さがないので、支柱を建てる必要がなく作業が楽です。
 これからのタアサイは成長と収穫を繰り返すだけになります。そのため栽培記録をここで一旦終わりにしたいと思います。

 

まとめ

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 今回はタアサイの水耕栽培を行いました。1月の種蒔きでしたので、ビニールハウスや室内の取り込みを駆使しながら育て、発芽から58日目で初収穫ができました。冬の栽培なだけあって、アオムシの被害が全くなかったのが良かったです。収穫した葉は緑の濃さとは異なり、クセはほぼないです。どんな料理にも合いそうです。

 これからは気温が上がるので、さらに成長が進むでしょう。しかしその一方でトウ立ちや害虫の被害が増えることが予想されます。何か新しい変化があったら、この記事に追記として記録をしていきます。

 この記事がタアサイ栽培のお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 

【追記】2022年3月26日 抽苔のため全収穫(発芽から72日目)

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 2回目の収穫と同じ様にすぐに大きくなると思っていましたが、なぜか葉の成長スピードが上がりません。

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 根を引き上げて確認しても白色であり、特に異常な感じはしないです。疑問に感じていたところ、株の中心にて原因を見つけました。

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 それは抽苔が起こり始めていたのです。栄養が蕾に向かってしまった結果、葉の成長が遅くなっているのでしょう。

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 見えている蕾はあと数日で伸びてくるはずです。その前に株ごと収穫してしまいます。株元にハサミを入れて太い茎を切ります。

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 こちらが最終収穫物です。もう少し長い期間収穫したかったのですが、春なので致し方のないことですね。

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 ちなみに裏側はこうなっています。手で持つタイプの風車に似ています。想定していたよりも収穫回数が少なかったので、次回は冬を避けて秋に種蒔きをしようと思っています。