2018年の春に水耕栽培でわさび菜を育てました。意外と大きく育ち、その味はピリッとした爽やかな辛味があり大変美味しかったです。そのせいか私の中では「わさびのように辛味のある野菜は美味しい」と思うようになってきました。
先日ホームセンターに立ち寄った時にからし菜の種を見つけました。からし菜という名前ですから、わさび菜のようにこの野菜も辛くて美味しいのかもしれません。嬉しいことに価格も1袋200円以下の買いやすい品種でしたので、育ててみることにしました。
今は夏から秋への移り変わりの時です。葉物野菜を真夏に育てると成長は早いのですが、暑さのため葉が萎れてしまいことが多々あります。逆に真冬ですと気温が上がらず、なかなか育ちません。その中間の季節である今が最も栽培に適しています。それでは、からし菜の水耕栽培をしていきましょう。
- からし菜の種
- 水耕栽培装置&液体肥料
- 2018年9月7日 種蒔き
- 2018年9月9日 発根
- 2018年9月10日 発芽(発芽から0日目)
- 2018年9月13日 1回目の間引き(発芽から3日目)
- 2018年9月16日 本葉が開く(発芽から6日目)
- 2018年9月21日 2回目の間引き(発芽から11日目)
- 2018年9月30日 順調に成長(発芽から20日目)
- 2018年10月6日 葉が食べられる(発芽から26日目)
- 2018年10月14日 アオムシ退治剤の散布(発芽から34日目)
- 2018年10月20日 収穫(発芽から40日目)
- まとめ
からし菜の種
種は球体で、大きさは1mm程度です。からし菜は大根や菜の花と同じアブラナ科の植物ですので、これらの植物と種の見た目はそっくりです。もし混ざってしまったら、からし菜の種だけ取り出すことは不可能でしょう。
水耕栽培装置&液体肥料
今回使用する水耕栽培装置はこの記事《底面給水式の水耕栽培装置を改良。水面が低下しても液肥が供給されるようにしました》のものを使用しました。
液体肥料は微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈して使用します。
2018年9月7日 種蒔き
からし菜の種は深さ約5mmとなるように蒔きました。この状態で部屋の中に置き、発芽するまで待ちます。なお、液体肥料はカップの底から1cmくらいが浸かるように水面を調整しています。
2018年9月9日 発根
種を蒔いてから2日目で双葉が見えてきました。アブラナ科の野菜を数種類育てましたが、どれも発芽が早くて安心できます。
このまま部屋の中に置いておくと日光不足で徒長してしまうので、南向きのベランダに移動させました。
2018年9月10日 発芽(発芽から0日目)
双葉が開ききったので、本日を発芽0日目とします。約40日で収穫できそうなので、10月中旬には食べられそうです。今から楽しみですね。
2018年9月13日 1回目の間引き(発芽から3日目)
種は軽くひとつまみ分を蒔きましたが、結構発芽してしまいました。やはりアブラナ科の種は発芽率が高くて優秀です。しかしこのまま育てると栄養が行き届かなくなってしまいますので、間引きを行います。
密集して育っているため、指で摘んで抜くと周りの株も一緒に抜けてしまいそうです。そこで小さなハサミを使って、根元の茎を切ることにしました。これを繰り返して、1カップあたり4株くらいになるように調整します。
これで間引きは終了です。もう少し大きくなったら2回目の間引きをしたいと思います。
発芽してから3日目ですが、もう根がカップの底から出てきています。何種類かの野菜を育てて分かったことは、根の成長が早いと大きくなるのが早い傾向があることです。これは期待できそうですね。
2018年9月16日 本葉が開く(発芽から6日目)
本日、本葉が開きました。双葉とは形が違い、ギザギザしている葉です。
2018年9月21日 2回目の間引き(発芽から11日目)
からし菜の成長速度は早く、すでにカップの中が混み合ってきています。このまま育てると栄養の取り合いになってしまうので、2回目の間引きをしましょう。
各カップの中で一番大きく育っている1株を残して、他を間引きしました。
からし菜の葉はこのように切れ込みがたくさん入っています。そのため間引きした株同士が絡み合って、とても取り出しにくかったです。
早速ですが、間引きをした葉を食べてみました。噛んでいるとほんのり辛子の香りが口に広がり、とても爽やかです。個人的にはもう少し辛味があっても良いと思いますので、これらから成長して辛味成分を蓄えてほしいと思います。
2018年9月30日 順調に成長(発芽から20日目)
先週、間引きをしたからし菜はスカスカな状態でした。しかし10日ほどたつと最初に出てきた本葉が大きくなり、緑の部分が増えてきました。
このからし菜は葉に切れ込みが入る品種なのですが、その具合もまちまちです。比較的切れ込みが少ないものや、
このように中心部分近くまで入っているものがあります。種袋の写真を確認すると、後者の葉が主になるようですね。
来週も秋の長雨が続くらしいので、からし菜の成長はゆっくりになりそうです。早くカラッと晴れた日になってほしいです。
2018年10月6日 葉が食べられる(発芽から26日目)
先週は雨の日ばかりでうんざりでしたが、今週は晴れの日が多かったです。そのせいか、からし菜はかなり大きくなりました。
株元もしっかり太くなってきており、多少風が吹いたくらいでは倒れません。
以前からし菜を食べた時には、小さいながらもピリッとした辛さだったので、虫がつかないだろうと思っていました。しかし葉を見ると、フンらしきものがたくさん付いています。
また一部の葉は、穴がポコポコと空いています。これはきっとどこかにアオムシが潜んでいるに違いありません。
アオムシは葉の裏側にいることが多いので、下から覗いてみます。しかしからし菜の葉はギザギザなうえ、葉脈もデコボコしているので、いまいちどこにいるのか分かりません。
よく目を凝らして見ると、発見しました。葉と同じ色で分かりにくいですが、体長8mm程度のアオムシです。まだ小さいので被害は少ないですが、放っておくわけにはいきません。結局4匹のアオムシを駆除しました。辛い葉も食べてしまうアオムシ、恐るべし…ですね。
2018年10月14日 アオムシ退治剤の散布(発芽から34日目)
発芽から1ヶ月が経過しました。からし菜は良い具合に成長してくれています。
株元の茎は太くなってきており、また新しい葉もどんどん出てきています。種袋には『あまり大きくすると葉が固くなってしまう』と書いてありますので、来週くらいに収穫したいと思います。
ただ1つ心配なことがあります。それはアオムシの食害です。帰宅したらライトを持ってアオムシ探しをしていますが、どうしても全ては取りきれません。この葉は半分以上が食べられてしまいました。
これでは埒が明かないので、薬を使って退治します。買ってきたのは「STゼンターリ顆粒水和剤」です。この薬が付いた葉をアオムシが食べると、お腹を壊して死んでしまうのです。
1000倍に希釈して、滴る程度に散布しました。きっと来週の収穫までにはアオムシがいなくなっているでしょう。
2018年10月20日 収穫(発芽から40日目)
からし菜が発芽してから40日がたちました。葉物野菜なだけあって育つのが早く、今では高さが30cmくらいになっています。縦方向だけではなく横方向にもモサっと広がっているので、ベランダが少し狭く感じてしまいます。
先週、アオムシを退治するために薬を散布しました。効果は抜群で、葉を食べられることは全くなくなりました。
この薬の効果は撒いてから数日後に現れます。薬をスプレーした翌日、アオムシはまだ生きていました。しかし数日経過すると元気がなくなっており、棒で突いたらコロッと葉から落ちてしまいました。さらに1週間がたつと、アオムシは写真のようにミイラ化していました。
今回使ったアオムシ退治薬「STゼンターリ顆粒水和剤」は、かなりの効き目があるようです。来年の春にもアオムシの被害は出ると思いますので、その時にもぜひ使ってみたいと思います。
液肥層の根はこんな感じとなっています。栽培期間が40日と短めなので、あまり根は広がりませんでした。
それでは十分に育ったからし菜を収穫したいと思います。
収穫するためには、根本をハサミで切らなくてはなりません。茎が柔らかそうに見えたので、最初は紙を切る普通のハサミで切ろうとしました。しかし全く刃が立たなかったので、剪定ばさみを持ってきて切りました。細めの株元ですが見た目とは異なり、結構固かったです。
これでからし菜の収穫ができました。6株分を片手で持つと、さらにモサっと感が出てきますね。
家庭菜園なのであまり関係はありませんが、からし菜の茎は柔軟性が少ないので、採った時に色々な場所がポキポキ折れてしまいました。
せっかくですので、採り立てのからし菜を食べてみたいと思います。以前、間引きをした株を食べたことがあります。その時にはほんのり辛味がする程度でしたが、今はどんな味になっているのでしょうか?
適当な葉を摘み取って口の中に入れてみると…やはり前回と同じく、辛子の味が口に広がります。しかし今回はほんのり香る程度ではなく、噛むにつれて辛味が強くなってきました。油断をすると辛さが鼻孔に抜けてしまい、鼻がツンとするくらいです。この辛味は、今年の春に育てた「わさび菜」と良く似ています。からし菜とわさび菜は兄弟みたいな関係なので、同じような味がするのも納得です。
収穫したからし菜は半分をサラダに、残り半分をお浸しにして食べました。加熱すると辛味成分が飛ぶのか、お浸しはそれほど辛くなく、箸休めにはぴったりの料理となりました。ただ、噛み切れないほどではないですが根本の茎にスジが多く、歯触りがあまり良くありませんでした。今回は40日目で収穫しましたが、30日を超えたあたりで採ると柔らかい茎だったのかもしれません。
まとめ
最後に、からし菜を育てたまとめになります。
- からし菜の種は3日後に発芽し、その後40日目で収穫できました。成長はとても早く、油断していると大きくなりすぎます。欲を出さずに、時期を見極めて収穫することが重要です。
- アオムシは辛子味の葉でも食べてしまいますので、発見したらすぐに薬を撒きましょう。手作業での駆除は取りこぼしがあり、被害を止めることは難しいと感じました。
今回の栽培では「からし菜」を育ててみました。やはり葉物だけあり成長が早く、短期間で収穫できました。あと1週間早く収穫していれば、柔らかい茎を食べれたかもしれないですね。からし菜はアオムシ対策をしっかりすれば、病気にもならない作りやすい野菜です。ぜひ育ててみてはどうでしょうか?