昨年、タマネギを種から育てようとしたところ、直撃した台風により苗を倒され失敗となってしまいました(参考記事:【栽培断念】「赤タマネギ」を半水耕で栽培中。収穫は半年後の来春を予定しています)。そこで今年はリベンジとして、タマネギの「セット栽培」にチャレンジすることにします。セット栽培とはタマネギを種球から育てる方法で、8〜9月に植えれば年内に採れるらしいのです。
前回の栽培と同じように、今回もバーミキュライトと液肥を用いた半水耕で育てます。そこで問題となったのがバーミキュライトを入れる容器です。今は大きいプランターが出払っており、手元にはありません。タマネギの育て方を調べると、浅めのカゴで栽培に成功している方がいました。我が家の中で何か代用できそうなものがないか探したところ、庭にいくつかの「花カゴ」が転がっていました。
花カゴの幅・奥行きは十分にあります。ただし高さは10cm弱しかありません。根の伸びるスペースが少ないように見えますが、とりあえず使ってみましょう。それではタマネギのリベンジ栽培のスタートです。
- タマネギの種球
- 液体肥料
- 栽培装置
- 2020年8月23日 植え付け
- 2020年9月1日 発根
- 2020年9月5日 発芽(発芽から0日目)
- 2020年9月12日 残り3つ(発芽から7日目)
- 2020年9月20日 全て発芽(発芽から15日目)
- 2020年9月22日 イモムシ襲来(発芽から17日目)
- 2020年10月11日 茎が太くなる(発芽から36日目)
- 2020年10月25日 肥大化開始(発芽から50日目)
- 2020年10月31日 順調な成長(発芽から56日目)
- 2020年11月15日 全てが肥大化中(発芽から71日目)
- 2020年11月28日 葉が折れた原因 (発芽から84日目)
- 2020年12月12日 1つ収穫(発芽から98日目)
- 2020年12月31日 今年最後の収穫(発芽から117日目)
- 2021年1月31日 冬の寒さに耐える(発芽から148日目)
- 2021年2月21日 成長開始(発芽から169日目)
- 2021年3月6日 半分を収獲(発芽から182日目)
- 2021年3月27日 トウ立ちのため収獲(発芽から203日目)
- まとめ
タマネギの種球
今回は種や苗からではなく、種球から育てます。直径は2〜2.5cmで、見た目は小さいタマネギです。
液体肥料
液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。
栽培装置
栽培装置の容器として使うのは「花カゴ」です。よくポット苗が入っているあれですね。大きさは幅49cm 奥行36cm 高さ8cm、容量は約13Lになります。ちなみに近くのホームセンターでは、ご自由に使って下さいと配られています。
花かごに目の細かい網、今回は余っていた防虫ネットを敷き、洗濯バサミで仮固定をします。
そしてバーミキュライトを縁一杯まで入れた後、液肥で湿潤させます。培地を液肥で濡らすと意外と重たく、底が抜ける可能性がありました。対策として花かごをもう1枚重ねて強化しています。これで栽培装置の完成です。
2020年8月23日 植え付け
種球は直径2cm前後のものを選び、10cm間隔で合計12個を植えます。
植え付けは説明書通りに、頭が少し出るくらいの深さにしました。
この栽培装置を雨が直接かからない南側の軒下に置いて、発芽するのを待ちます。
2020年9月1日 発根
タマネギの最適な発芽温度は20~25℃です。しかし先週は最高気温が35℃を超える暑い日が続いたため、栽培装置を風通しの良い明るい日陰に移動させました。
種球をそっと掘り起こしてみると、発根しているのが確認できます。もう少しで発芽しそうです。
2020年9月5日 発芽(発芽から0日目)
植え付けから約10日で芽が出てきました。と言っても12個中2個のみです。どうも一斉には出てこないようですね。本日を「発芽から0日目」とし、栽培の記録をしていきましょう。
2020年9月12日 残り3つ(発芽から7日目)
やっと暑さが引いてきました。そのお陰か、タマネギの発芽が進んでいます。
葉の伸びるスピードは早く、長いものでは20cm程に成長しています。
発芽していない種球はあと3つです。根は出ているので、近々芽が出てくるでしょう。
2020年9月20日 全て発芽(発芽から15日目)
残りの3株も無事、全てから芽が出てきました。素晴らしいことに発芽率は100%です。遅かった株は今年中に収穫できるでしょうか?
2020年9月22日 イモムシ襲来(発芽から17日目)
どうも葉が何者かによって食べられている形跡があります。隅々まで探すと、写真のような小さいイモムシが何匹かいました。タマネギの葉はネギ臭そうなので害虫は付かないと思っていましたが、そうではないようです。これらは指で摘んで処理をしておきました。マメな巡回が必要そうです。
2020年10月11日 茎が太くなる(発芽から36日目)
土の代わりにバーミキュライトを使っているせいか、固定力が弱いです。全ての株が倒れて成長中です。
細かった茎も太くなってきました。しかし球根部分の肥大化はまだ起きていないです。今年もあと2.5ヶ月…本当に年内の収穫ができるのでしょうか?
2020年10月25日 肥大化開始(発芽から50日目)
今までのタマネギは倒れ気味で成長していました。しかし適温になったためか、新しく出てきた葉は立ち上がりながら伸びています。
現在の茎の太さは2~3cmとなっています。植え付けた球根と同じ太さとなっているため、見かけ上は真っ直ぐな1本の茎です。
嬉しいことに、一番成長の早いものは株元の肥大化が始まっています。まごうことなきタマネギの形です。
2020年10月31日 順調な成長(発芽から56日目)
前回、肥大化していた株を再度撮影しました。1週間で確実に大きくなっていますね。サイズを測ると、直径は5cmでした。スーパーで売っているタマネギは直径7~8cmなので、まだまだ大きくなりそうです。
2020年11月15日 全てが肥大化中(発芽から71日目)
時期が来たのか、全ての株で肥大化が始まりました。
1番大きいものは、直径6.5cmにまで成長しています。現在は11月中旬ですので、このまま順調に育てば年内には収穫できそうです。
2020年11月28日 葉が折れた原因 (発芽から84日目)
前回の写真と見比べると、緑色の面積が多くなっています。中心部からは新しい葉が次々と出てきており、すっくと立ち上がっている状態です。
最近、途中から折れる葉が多いなと感じていました。本日改めて観察したところ、折り目に体長2cmほどのイモムシが隠れていました。どうも葉の表面がかじられた結果、強度が足りずに折れてしまったようです。他の折れ目にも同じ虫がいたので、手で摘んで近くの藪に放り投げておきました。これで大丈夫でしょう。
最初に肥大化が始まった株は根元の茎がスカスカ気味に変化し、地上部が傾きつつあります。近々収穫できそうです。
ちなみにこちらが2番目に肥大化が始まった株になります。すでにスーパーで売っているタマネギよりも大きいです。茎はまだしっかりしているので、これから更に成長しそうです。
2020年12月12日 1つ収穫(発芽から98日目)
コートが必要な気温の中、タマネギはまだ新しい葉を出しながら成長しています。
タマネギの収穫は茎が倒れてから1週間後が目安になります。無事にそのような株が1つ出てきました。茎をつまむと芯がなく、空洞化しています。それではこの株を収穫しましょう。
茎を持って引っ張ると簡単に抜けました。このタマネギが収穫の第1号です。どうにか年内には間に合いました。少し小ぶりな気がしますが、それでも直径は8.0cmあります。
根は意外にも少なかったです。大半が培地の中に残ってしまったのでしょうか?
収穫したタマネギは干すと保存性が上がるとのことで、洗濯竿にかけて数日放置します。
他の株はまだ成長中のものが多いです。雰囲気としては今年中にあと1株は収穫できそうですが、その他はまだ小さいので来年となってしまいそうです。
《追記》
収穫したタマネギの重さを量ったところ154gでした。
縦半分に切ると中はきれいな白色です。このタマネギは薄くスライスしてサラダにしたり、炒めものの具材として食べました。土で育ったものと全く遜色なく、風味豊かな新タマネギでした。
2020年12月31日 今年最後の収穫(発芽から117日目)
本日が2020年最後の日です。霜が降りても、まだまだ元気なタマネギです。
本日はこの株が収穫できそうです。早速引っ張ってみましょう。
土代わりにバーミキュライトを使っているので簡単に抜けました。写真では伝わりにくいですが、かなり大きいです。これはすぐに食べるので乾かさず、外側の茶色い皮を剥いて洗います。
すると美しいタマネギが姿を現しました。重さは273g、直径は96mmもあります。食べごたえがありそうなサイズです。収穫したタマネギは薄くスライスして、生のまま試食をしました。口に入れて噛んだ瞬間はみずみずしく甘みがあり、徐々に辛味が出てきます。生で食べるには一度水に晒す方が良さそうです。
予定では年内に全てのタマネギを収穫できるはずでしたが、まだ大きくなっていない株が10個もあります。このまま大きく成長するのを待ちましょう。
2021年1月31日 冬の寒さに耐える(発芽から148日目)
一年で最も寒い時期がやってきました。朝の気温が氷点下になる時も多々あります。それでもタマネギは凍らずに耐えています。暖かくなるのを待ちましょう。
2021年2月21日 成長開始(発芽から169日目)
2月も後半になり、やっと気温が上がってきました。葉の緑色も若干濃くなった気がします。
太くなった茎の中心部からは、何枚もの葉が出てきています。ところで収穫は茎が倒れた頃にするのですが、冬を越したタマネギも同じなのでしょうか?このままトウ立ちしたらどうしましょう。
2021年3月6日 半分を収獲(発芽から182日目)
昨年中に収獲できる予定だったタマネギ…気付いたらすでに今年の3月となっています。
茎は更に太くなり、裂けてしまいそうなくらいです。近々タマネギを使いますので、サイズが大きいものを選んで収獲したいと思います。
茎を掴んで引っ張り上げますが、全く抜けません。最終的には、根をハサミで切りながら採っていくことにしました。
これが収穫した初物のタマネギです。立派に太っています。
このままキッチンに持っていくと培地がボロボロと落ちそうだったので、表面の皮を剥いて綺麗にしていきます。ついでに葉も落とします。
これで調理しやすい形になりました。重さはそれぞれ346g・230g・226g・226g・195gです。市販品と比べても、遜色のないものができあがりました。
今回は大きくなっていた5株を採りました。残りの5株はまだ食べるには小さいです。もう少し育てましょう。
2021年3月27日 トウ立ちのため収獲(発芽から203日目)
2週間が経過すると、葉がかなり茂ったのが分かります。さて株元はどうなっているでしょうか?
思ったよりも育っておらず、現在小ぶりのタマネギくらいのサイズです。本当はもっと大きくしたいのですが、今回はこの状態で採るしかなさそうです。その理由は、
なんとトウ立ちが始まっているのです。この株だけではなく、
こちらにも蕾が付いています。花が咲いてしまうと味が落ちてしまうので、収獲せざるを得ないのです。それでは全ての株を抜いていきましょう。
これにて栽培をしていた全てのタマネギが収獲できました。予想以上に日数がかかりましたが、脱落する株もなく、非常に育てやすかったです。
まとめ
それでは栽培のまとめとなります。
- 予定では昨年に収獲となるはずでしたが、全てを収獲できたのは今年の3月、つまり栽培開始から200日後となりました。
- イモムシに葉をかじられた以外には病気などにかかることもなく、順調に成長して収獲を迎えました。
- 収獲したタマネギは加熱するとトロッとして美味しかったです。新タマネギらしい風味を楽しめました。
今回は花かごを使ってタマネギの半水耕栽培をしました。年内に採れなかった理由としては、残暑が厳しく、初期成長が滞ったせいだと思います。次回育てる時には暑さ対策、例えば寒冷紗を掛けたり、風通しを良くする必要がありそうです。
この記事がタマネギの半水耕栽培のお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。