私が初めてババロアを作った頃、謎の金属臭に悩まされました。臭いと書きましたが実際に臭っているわけではなく、口に入れた時に金物を舐めたような風味がする…といった感じです。その臭いがなくなるように、作り方や材料を変えて色々試した結果、原因は使っていた「金属製の」ボールだと分かりました。
ババロアの作り方を簡単に説明すると、泡立てた生クリームにカスタードソースを混ぜ、ゼラチンで固めると完成します。金属臭さは出ない時もありましたが、出る時の方が多かったです。最初は生クリームのせいかと思い違うメーカーに変えてみましたが、改善しませんでした。そもそも同じ材料を使って作っているプリンでは金物臭がしないので、材料の問題ではないでしょう。
金属臭ということで、次は金属製の鍋とボールを疑いました。鍋はカスタードソースを作る時に使います。そこでカスタードソースを作ってみて、実際に味見をしてみました。これも特に問題はありません。美味しいカスタードソースでした。
最後に残ったのは、生クリームを泡立るために使う金属製のボールです。これをガラス製のボールに変えてみたところ、ぴたりと金物臭さは止まりました。この頃は電動ハンドミキサーがなく、手動で生クリームを泡立てていました。結構な勢いでガシガシやっていたので、ボールと泡立て機が擦れて極めて細かい金属片ができ、これが金属臭の原因なったのかもしれません。
この経験から生クリームや卵白を泡立てる場合には、できるだけガラス製のボールを使うようにしています。もちろん全ての作業でガラス製ボールを使う必要はありません。金属同士が激しく当たり合う時だけ変えればいいので、こねたり混ぜたりする時にはステンレス製ボールの方が使い勝手が良いでしょう。
お菓子の味は材料だけではなく、使う道具によっても変わるという貴重な体験ができました。ボールの素材でこんなに味が変わるなんて自分でも驚きです。もし完成した料理から金属臭がする時、何か金属同士が擦れ合う作業がないか確認してみてはどうでしょうか。
自分が使っている直径約20cmのガラス製ボールです。この大きさですと生クリーム1箱(200mL)を泡立ててもあふれ出ることはありません。金属臭で困っているならばガラス製に変えてみるのも手です。
これはステンレス製のボールです。軽くて割れないので、材料をゴムベラで混ぜたり、手でこねたりする作業に使っています。普段使いにはこちらの方が便利ですね。