水耕栽培中に必ず行う作業として「間引き」があります。間引きとは発芽した種の中から、状態の良い株を残すことです。この作業によって成長に必要な空間を作ったり、栄養が1株に集中するようにアシストします。
プラカップ式の水耕栽培装置を使う場合、1つのカップに蒔く種は5個くらいです。種の鮮度が良く、発芽率が良い野菜ですと、9割以上の種が発芽することもあります。発芽後は1~2回の間引きを行い、最も元気な株を1つ選抜して育てていきます。
私が間引きをする際に使う道具は、「精密ハサミ」と「精密ピンセット」です。キッチンバサミやトゲ抜き用のピンセットでも良いのですが、発芽直後の芽は小さいため、これらでは細かい作業がやりにくいのです。指で引っこ抜くことも可能ですが、密集していると目的の株以外も取ってしまう可能性があります。やはりこの作業は、先の細い道具が必要です。
今回の記事では間引きに適したハサミとピンセットについて紹介します。
精密ハサミ
精密ハサミは、工作用のハサミとはサイズが全く違います。写真のように刃渡りが1.5cm程度しかなく、先も尖っています。また持ち手の穴も小さく、指が1本しか入りません。しかしながら間引きの作業では、このサイズが大切なのです。
間引きをする株の茎は柔らかく、直径も1mm程度しかないので、この刃でも十分に切ることができます。また狭い範囲にいくつもの株があり、場合によっては2つの株が隣り合っていることもあります。このような時でも先が細いハサミならば目的の株まで簡単に届き、切断ことができます。
精密ピンセット
切った株をカップから出す時、以前はハサミで摘んでいました。しかし力を入れ過ぎて切れてしまったり、摘んだ株を狭い隙間から出す作業は上手くできませんでした。そのため今は精密ピンセットを使うようにしています。
ピンセットは先はストレートになっているものよりも、曲がっている方が作業がしやすいです。また小さなものを掴むので、こちらも先が細いものが良いです。素材はハサミ、ピンセット共に、錆びにくいステンレス製がオススメです。
間引き作業
次はこれら道具を使って実際に間引きをします。 今、カップの中には発芽して数日目のビーツがいます。この中で明らかに他の株よりも小さいものが1つありますね。今回はこの株を間引いてみましょう。
まずはハサミを少し開けて株元まで近づけます。そして、そのまま刃を閉じて切ります。発芽から日数しか経っていないので茎は柔らかく、特に手応えもなくスッと切れました。
切った株はピンセットで持ち上げて取り出します。今回は周りにスペースがあったので、精密ピンセットの恩恵は少なかったです。しかしもっと込み入っている場合には、取り回しの良さを感じられるでしょう。
まとめ
間引きに使うハサミとピンセットは、先端部の細さが重要です。もし間引きの道具を探している方は、精密ハサミと精密ピンセットを使ってみてはいかがでしょうか?メーカー品でも1000円以下で買えますので、今後数年使うことを考えるとお得な道具です。
商品紹介
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私が使っている精密ハサミがこちらです。切れ味が非常に良く、発芽したての茎ならば難なく切断することができます。商品のバリエーションに刃先がカーブしている「曲がり型」があります。株元を切る間引きには、直型よりも曲がり型の方が使いやすいと思います。
ホーザン(HOZAN) 先曲がりピンセット 全長115mm P-882
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精密ピンセットは先がカーブしているものを選びました。このタイプだと切った芽を横から入れて取り出せるので便利です。できるだけ軽い力で閉じられるものを選ぶと、間引き中の疲れが少なくなります。