【失敗】「ネモフィラ」を水耕栽培で育てています。現在、徒長気味ですが大丈夫でしょうか?

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 ネモフィラは青い花が咲く一年草です。「ひたち海浜公園」では春になるとこの花が一斉に咲き、まるで海を思わせるような幻想的な風景が見られます。

 ネモフィラの種蒔きは通常秋に行います。発芽したら冬を越えて、春になると一気に大きくなります。私は昨年、この美しい青に惹かれ、種を買って育ててみました。残念なことにあまり大きくはなりませんでしたが、それでもいくつかの花を咲かせてくれました。

 話は今に戻り、この間種袋の整理をしていると、ネモフィラの種がまだ余っていることが分かりました。今は2月の中旬ですので、種蒔きの時期から外れてしまっています。しかし偶然にも先日、加温して発芽を促進させる『育苗器』を自作したのでした。

 そこでこの育苗器を使ってネモフィラを発芽させ、さらに水耕栽培で花を咲かせてみることを思い付きました。水耕だと成長スピードが早いと言う話も聞きますので、今のタイミングで種を蒔いても春の開花には間に合うかもしれません。それでは、あまり例がないと思われる「ネモフィラの水耕栽培」を始めようと思います。

 

 

 

 

ネモフィラの種

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 ネモフィラの種は表面がゴツゴツとした楕円形の形をしています。大きさにばらつきがあり、大きい種は小さいものの2〜3倍くらいあります。今回は大きさで選別はせずに、種袋からランダムで出てきた種をそのまま使います。

 

水耕栽培装置&液体肥料

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 使用する水耕栽培装置はこの記事《底面給水式の水耕栽培装置を改良。水面が低下しても液肥が供給されるようにしました》のものを使用しました。ネモフィラは株が大きくなりそうなので、6カップ⇢2カップに減らして育てていきます。
 液体肥料は微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈して使用します。

 

2019年2月17日 種蒔き

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 ネモフィラの発芽最適温度は20℃前後です。そのため最高気温が十数℃である今の気候では、上手く芽が出ないかもしれません。そこで先日自作をした育苗器を使って発芽を促します。
 まず小さめのプラカップにティッシュペーパーを敷き、水道水で濡らしました。ここにネモフィラの種を蒔きます。

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 そしてこのカップを育苗器に入れ、約20℃となるように加温します。

《参考記事》
ヒーターを使って「育苗器」を自作。さらに室内で双葉が緑色になるまで育てました

 

2019年2月20日 発根

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 早いことに、数日で発根してきました。種から白い根が1mmほど出ているのが分かるでしょうか?確認するとすべての種で根が見えています。

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 発根したので、これらの種をバーミキュライトに移動させます。指でつまむには小さかったので、爪楊枝の先端にくっつけて動かしました。

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 最後に数mmの覆土をして、再び育苗器の中に戻します。今回は2カップに種を蒔きました。

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 育苗器に洋服を掛けたままですと光が足りず、徒長する可能性があります。そこで上から1日あたり12時間、植物生育ライトを当てながら発芽させます。本当は屋外で育てたいのですが、気温が低いのである程度の大きさになるまではこの水耕栽培装置内で育てていきます。きっと2〜3日後には芽が出るでしょう。

《参考資料》
一斗缶で水耕栽培装置を自作。穴開け工具費込みでも3000円台でできました

 

2019年2月23日 発芽(発芽から0日目)

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 無事に双葉が開きましたので、本日を発芽0日目とします。種は2カップに合計10個程度を蒔きました。双葉が出たものが4つ、発芽しかけているのが2つあります。発芽率は良いとは言えませんが、許容範囲内です。

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 ネモフィラの特徴として、葉に白い斑点ができます。これは本葉だけではなく、発芽したての双葉にも見られます。最初は何かの病気になったのかと心配になってしまいました。

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 発芽したので育苗器から出して、直接ライトに当てます。予定では最初の本葉が出てきたら、外に出そうと思っています。

 

2019年2月27日 徒長気味(発芽から4日目)

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 発芽したネモフィラは若干、徒長気味で育っています。特に右側の方が茎が伸びています。この差はLEDライトの当たり方にもよるのでしょうか?今後の成長に少し不安を感じます。

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 徒長をしてはいますが、一応双葉の間からは本葉が見えていています。

 

2019年3月2日 屋外に出す(発芽から7日目)

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 このままLEDライトを当て続けても、さらに徒長しそうな気がします。そこで予定よりも早いですが、屋外に出すことにしました。
 私が通常使っている水耕栽培装置は一度に5~6株を栽培できます。しかしネモフィラはこんもりと広がるので、空間を開けるという意味で対角線上に2カップを設置して育てていきます。

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 数日前と比べると、出てきた本葉は結構成長しています。双葉とは違い、複数の切れ込みが入っているのが見てとれます。

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 前回、発芽しかけている種があると書きました。しかしそれらは芽が出ることなく、白いカビが生えてしまいました。今後は合計4株での栽培となりそうです。

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 徒長している株は茎が細い割に背が高いので、風にあおられやすいです。そこで株元にバーミキュライトを追加して、土寄せすることにしました。

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 茎の半分が埋まるようにバーミキュライトを入れていきます。これで少しは風対策になるでしょう。
 3月になったとは言え、まだ朝晩は寒いです。これから太陽の光を浴びて早く大きくなってほしいですね。

 

2019年3月4日 風で折れる(発芽から9日目)

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 本日の天気は雨で、風が強い1日でした。帰宅してネモフィラを確認すると、茎がポッキリと折れているものを発見しました。この株は一番背が高かったので、もろに風を受けてしまったようです。これで残りは3株になってしまいました。はたして大丈夫でしょうか?

 

2019年3月9日 残り2株(発芽から14日目)

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 先日折れてしまった株はかろうじて生きています。しかし茎が枯れつつあるので、もう長くはもたないでしょう。

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 ところで、調子がおかしい株が出てきました。数日前までは元気でしたが、急に根本から倒れてきたのです。よく見ると、茎が乾燥したように細くなっています。何かの病気にかかったのしょうか?原因がいまいち分からないので、対策を打てないですね…
 

2019年3月12日 苗立枯病にかかる(発芽から17日目)

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 ネモフィラの具合はやはりおかしいです。

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 先日と同様に、元気だった株の茎が急に細くなり、横向きになってしまいました。これで4つあった株のうち、1つが風で折れ、2つが茎が細くなって倒れたことになります。

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 これが最後の1株です。ちゃんと育っているように見えますが、株元を拡大してみます。

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 少し分かりにくいですが地面付近の茎が細く、そして黒く変色しています。この症状を調べたところ、「苗立枯病」にかかったぽいです。

 

 苗立枯病

発芽後すぐ、または定植後から生育初期に茎の地際からくびれて倒伏する土壌伝染性の病気。連作は避け、排水を良くする

発生しやすい植物:草花、野菜、らん類、山野草など多くの植物

《出典》住友化学園芸 病害虫ナビ・苗立枯病

 

 急に萎れてしまった2株も、地面間際の茎に異常がありました。おそらく、これらも苗立枯病にかかっていたのかもしれません。
 今までこの栽培装置で野菜を育ててきましたが、苗立枯病になったのは初めてです。症状が回復することはなさそうですが、もう数日様子を見ようと思います。

 

2019年3月16日 撤収(発芽から21日目)

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 症状は一向に改善せず、むしろ茎はさらに細くなってしまいました。このままですと、もうすぐ倒れてしまうでしょう。残念ですが今回の栽培はここで終わりにします。

 

まとめ

 それでは今回のまとめに入ります。

  • 発根した種11個を蒔きましたが、発芽したのは4個でした。発芽した株も1本が風で折れ、残りの3株は苗立枯病にかかって全滅してしまいました。

  • 発芽した株は、成育用LEDライトを使って育てました。しかし光の量が足りなかったのか、徒長してしまいました。屋外に出して育てていれば、もしかしたら後の結果が変わったのかもしれません。

  今回の栽培は徒長や病気など、残念な結果となってしまいました。病気に関してですが、今まで育てた野菜では苗立枯病が出たことはないです。もしかしたらネモフィラはこの病気に特にかかりやすいのかもしれません。もし次に育てる時は、殺菌剤を使って対策をしたいと思います。